ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
初音と想いが通じ合ってからは、こんなに愛情深い自分がどこに眠っていたんだ、と自分で驚くほど彼女に惚れ込んでしまっている。素直で、いじらしい彼女が可愛くて仕方ない。
このまま、俺たちは幸せな家庭を築いていくに違いない。そう、確信していたというのに──。
実家でのホームパーティーが終わったあと、父に呼ばれて二階の書斎に向かった。そこで父は、なにやら難しい顔をして、「実はさっき、一条社長にある提案をされてな」と切り出す。
「朝羽は、朱華ちゃんと結婚する気はないか? ……初音さんとの婚約は破棄して」
耳を疑う話に、一瞬どういうことか理解できなかった。
初音から朱華に乗り換えろと言うのか? そんな目茶苦茶な話、受け入れるわけがないだろう。
「なにを言ってるんですか。そんな気はさらさらありませんよ」
「社長が、私たちに多大な協力をしてくれると言うんだ。お前にとっても決して悪くない話だと思うんだが」
呆れながらも、一応その“悪くない話”とやらを聞くと、確かに霞浦グループにとってはメリットばかり。
そこでふと、この父親が流されて頷いてはいないだろうかと不安が過ぎり、猜疑の目を向けて尋ねる。
このまま、俺たちは幸せな家庭を築いていくに違いない。そう、確信していたというのに──。
実家でのホームパーティーが終わったあと、父に呼ばれて二階の書斎に向かった。そこで父は、なにやら難しい顔をして、「実はさっき、一条社長にある提案をされてな」と切り出す。
「朝羽は、朱華ちゃんと結婚する気はないか? ……初音さんとの婚約は破棄して」
耳を疑う話に、一瞬どういうことか理解できなかった。
初音から朱華に乗り換えろと言うのか? そんな目茶苦茶な話、受け入れるわけがないだろう。
「なにを言ってるんですか。そんな気はさらさらありませんよ」
「社長が、私たちに多大な協力をしてくれると言うんだ。お前にとっても決して悪くない話だと思うんだが」
呆れながらも、一応その“悪くない話”とやらを聞くと、確かに霞浦グループにとってはメリットばかり。
そこでふと、この父親が流されて頷いてはいないだろうかと不安が過ぎり、猜疑の目を向けて尋ねる。