ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
母が健気に愛し続けたおかげで、今ではすっかり落ち着き、愛妻家となったものの、彼女が悲しんでいた姿はしっかりと記憶に残っている。
俺が恋愛に対してドライだったのは、こういった幼い頃の両親の印象が強かったからだと思う。
女性を軽視する父のような男にはなりたくなかったし、母のように傷つけることもしたくなくて、自然と女性に入れ込むことを避けていたのだ。
ホテル内では、女性不信だなんだとあらぬ噂が立っていることを俺も知っているが、根も葉もないデマである。
そんな俺も、初音と出会って変わることができた。
父とは違うのだ。目先の利益に飛びついて、大切な人を悲しませるような真似はしない。
「一条社長には、私からきちんとお断りさせていただきます。いいですね? 代表」
有無を言わさず押し切り、父がため息を吐きながらも頷くのを見届けてから書斎を出た。
初音に心配をかけさせないために、何事もなかったように振る舞おう。そして、この件は彼女に悟られないうちに解決しよう。
そう心に留め、頭の中ではどのように一条社長に納得してもらうかを考え始めていた。
俺が恋愛に対してドライだったのは、こういった幼い頃の両親の印象が強かったからだと思う。
女性を軽視する父のような男にはなりたくなかったし、母のように傷つけることもしたくなくて、自然と女性に入れ込むことを避けていたのだ。
ホテル内では、女性不信だなんだとあらぬ噂が立っていることを俺も知っているが、根も葉もないデマである。
そんな俺も、初音と出会って変わることができた。
父とは違うのだ。目先の利益に飛びついて、大切な人を悲しませるような真似はしない。
「一条社長には、私からきちんとお断りさせていただきます。いいですね? 代表」
有無を言わさず押し切り、父がため息を吐きながらも頷くのを見届けてから書斎を出た。
初音に心配をかけさせないために、何事もなかったように振る舞おう。そして、この件は彼女に悟られないうちに解決しよう。
そう心に留め、頭の中ではどのように一条社長に納得してもらうかを考え始めていた。