ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
切り替えが早い彼女は、すぐにいつものさっぱりとした声に戻る。
『とりあえず、お互いパパと直接話をしなきゃね。皆でご飯でも食べようって私から言えば、多少無理してでも時間作ってくれるだろうし、お願いしておくわ』
「あぁ、俺も早く会いたいよ。なるべく急ぎで頼む」
『りょうかーい』
軽く返事をする彼女に、「じゃあ、おやすみ」と告げて電話を切ろうとすると。
『あ、待って! 朝羽は婚約者さんとうまくやってるの!? 好きになれた!?』
早口で確認され、離しかけたスマホを再び耳にあてる。
そういえば朱華も、誰も好きになったことがない俺が政略結婚することを心配していたのだった。ずっと気にしてくれていたようだが、その心配は無用だ。
「愛してるよ」
なによりも大切な彼女の顔を思い浮かべながら答えると、『きゃー』と興奮気味の甲高い叫び声が聞こえてきて、俺はさっさと通話を終了させた。
こんな夜中でもテンションの高い朱華に呆れつつ、寝室へ戻る。
寝ている初音を起こさないように静かにベッドの中に入ったとき、元気がない彼女の姿が頭に浮かんで胸が痛んだ。
『とりあえず、お互いパパと直接話をしなきゃね。皆でご飯でも食べようって私から言えば、多少無理してでも時間作ってくれるだろうし、お願いしておくわ』
「あぁ、俺も早く会いたいよ。なるべく急ぎで頼む」
『りょうかーい』
軽く返事をする彼女に、「じゃあ、おやすみ」と告げて電話を切ろうとすると。
『あ、待って! 朝羽は婚約者さんとうまくやってるの!? 好きになれた!?』
早口で確認され、離しかけたスマホを再び耳にあてる。
そういえば朱華も、誰も好きになったことがない俺が政略結婚することを心配していたのだった。ずっと気にしてくれていたようだが、その心配は無用だ。
「愛してるよ」
なによりも大切な彼女の顔を思い浮かべながら答えると、『きゃー』と興奮気味の甲高い叫び声が聞こえてきて、俺はさっさと通話を終了させた。
こんな夜中でもテンションの高い朱華に呆れつつ、寝室へ戻る。
寝ている初音を起こさないように静かにベッドの中に入ったとき、元気がない彼女の姿が頭に浮かんで胸が痛んだ。