ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
驚きと少しの感動で目を丸くすると、彼の凛とした瞳が私を捉える。
「手だけじゃない。振る舞いや、話す表情から滲み出るしなやかさが、あなたを美しくしている」
滑らかな声で紡がれる言葉に、心臓が大きく揺れ、頬がじわじわと火照りだす。
今まで、男性にこんなに褒められた経験なんてもちろんない。自分が美しいと思ったことも皆無だ。
ただのリップサービスだとしても、否応なくドキドキしてしまっていると、朝羽さんは触れる手はそのままに、少し目を伏せてこんなことを言う。
「思えば私は、恋は自然と落ちるものだと思っていたので、誰かを好きになる努力も、好かれる努力もしてきませんでした」
「……私もです」
激しく同調して頷き、再び視線を合わせると、なんだかおかしくて思わず小さく吹き出してしまった。
容姿も肩書きも完璧なら、恋愛も達者だろうというイメージがあったこの男性と、これといった取り柄もない平凡な私に、こんな共通点があったとは。
クスクスと笑いをこぼす私につられたのか、朝羽さんの口元もふっとほころぶ。
あぁ、また見ることができた……魅力的で貴重な笑みを。
なんだか嬉しくなったその瞬間、ふと思う。朝羽さんって、霜花(しもばな)みたいな人だ、と。
「手だけじゃない。振る舞いや、話す表情から滲み出るしなやかさが、あなたを美しくしている」
滑らかな声で紡がれる言葉に、心臓が大きく揺れ、頬がじわじわと火照りだす。
今まで、男性にこんなに褒められた経験なんてもちろんない。自分が美しいと思ったことも皆無だ。
ただのリップサービスだとしても、否応なくドキドキしてしまっていると、朝羽さんは触れる手はそのままに、少し目を伏せてこんなことを言う。
「思えば私は、恋は自然と落ちるものだと思っていたので、誰かを好きになる努力も、好かれる努力もしてきませんでした」
「……私もです」
激しく同調して頷き、再び視線を合わせると、なんだかおかしくて思わず小さく吹き出してしまった。
容姿も肩書きも完璧なら、恋愛も達者だろうというイメージがあったこの男性と、これといった取り柄もない平凡な私に、こんな共通点があったとは。
クスクスと笑いをこぼす私につられたのか、朝羽さんの口元もふっとほころぶ。
あぁ、また見ることができた……魅力的で貴重な笑みを。
なんだか嬉しくなったその瞬間、ふと思う。朝羽さんって、霜花(しもばな)みたいな人だ、と。