ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
さらりと口にされたひとことに、私はキョトンとする。

私が初めて? あれ、朱華さんは?


「たぶんあいつは自覚してないだろうけど、俺との話で初音ちゃんの名前が何回も出てくるんだよ。中学生みたいで可愛いのなんの」

「嘘……」


あの朝羽さんが、私のことばかり話しているだなんて信じられない。絶対そんなタイプではないと思っていたのに。

大和さんはクスッと笑い、詳しく教えてくれる。


「朝羽の口から女の子の話なんて出たことがなかったから、最初に婚約指輪のことを聞いてきたときは驚いた。『俺は普段もつけられるものがいいと思ってるけど、女性はそうでもないのか?』って。俺に聞くなよって感じだけどさ」


それを聞いて、左手の薬指を見下ろす。

朝羽さんが悩んで選んでくれたんだと思うと、胸がほんのり温かくなった。この指輪も彼に対しても、余計に愛おしさが増す。


「他にもいろいろあるから。デートはどこに連れていったらいいかとか、誕生日プレゼントはどういうものが喜ぶかとか」

「誕生日って、まだ半年も先ですけど」


驚きつつ真顔でツッコむと、大和さんはおかしそうに笑った。そして、当然のように言う。

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