ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
真琴がものすごく恥ずかしがりながら打ち明けた話に、私はその瞬間だけ自分の問題も忘れて喜びの悲鳴を上げた。
だって、つい先日しろちゃんと正式に付き合うことになったっていうんだから!!
どうやら、彼がうらうらでひとり泣いていたというあのとき、真琴が慰めて、そこからふたりの仲は急接近したらしい。
あの瞬間に恋に落ちたんじゃなくて、きっとふたりともとっくに落ちていたんだろう。ただ、友達を超えるきっかけがなかっただけ。
そうしてめでたく恋人同士になれたこともあって、真琴は販売の手伝いをしているということなのだ。しかも、親公認で。
「よかったね~、本当によかった~! やっと結ばれたかぁ」
「しつこいよ初音」
興奮冷めやらぬ私に反して、相変わらずツンとしている真琴だけど、いまだに顔はりんご飴状態だ。
『店番はしているからいいわよ』と気を遣ってくれた母に甘えて、今は自宅の居間でお昼ご飯をもらっている。
父は営業に出なければいけないらしく、先ほどお互いの元気な姿を確認して、近況を軽く報告し合ってから出かけていった。
日本酒の売り上げは右肩上がりらしい。父たちの日々の営業に加えて、ベアティチュードでの販売や宣伝が功を奏しているようで、一安心だ。