ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
『朱華は、俺が寝起きが悪いことを知らない』
「へっ?」
三つ目の頼み事をするのかと思いきや、いきなり朱華さんの名前が出され、心臓が波打った。
なにを言い出すのかと、彼の考えがまったく読めず困惑する私の耳に、落ち着いた声が響き続ける。
『目覚ましを四個かけていることも、ゴーヤが嫌いなことも、どんな愛の言葉を囁くかも知らない。俺がすべてをさらけ出すのは、初音の前でだけだ』
……荒立ちそうだった鼓動が、次第に心地よいさざなみのようなドキドキへと変わっていく。
朱華さんとの詳しい事情はわからなくても、朝羽さんの言葉が今はすんなりと心に沁み込んでくる。きっと、これは出まかせではないはずだと。
なんだか胸がじんとするのを感じて黙りこくる私に、彼は真剣な声で、『三つ目の頼み』と告げる。
『俺のもとへ帰ってきてくれ。そして、二度と離れないで』
──じわっと、急激に瞳に熱いものが込み上げた。
そうだ、朝羽さんは自分の気持ちを正直に口にする人じゃないか。どうしてそれを忘れてしまっていたのだろう。
もう疑ったりしない。私たちの望みは、きっと同じだと信じよう。
涙声で「はい」と返事をすると、電話の向こうで大好きな人が優しく微笑むのがわかった。
「へっ?」
三つ目の頼み事をするのかと思いきや、いきなり朱華さんの名前が出され、心臓が波打った。
なにを言い出すのかと、彼の考えがまったく読めず困惑する私の耳に、落ち着いた声が響き続ける。
『目覚ましを四個かけていることも、ゴーヤが嫌いなことも、どんな愛の言葉を囁くかも知らない。俺がすべてをさらけ出すのは、初音の前でだけだ』
……荒立ちそうだった鼓動が、次第に心地よいさざなみのようなドキドキへと変わっていく。
朱華さんとの詳しい事情はわからなくても、朝羽さんの言葉が今はすんなりと心に沁み込んでくる。きっと、これは出まかせではないはずだと。
なんだか胸がじんとするのを感じて黙りこくる私に、彼は真剣な声で、『三つ目の頼み』と告げる。
『俺のもとへ帰ってきてくれ。そして、二度と離れないで』
──じわっと、急激に瞳に熱いものが込み上げた。
そうだ、朝羽さんは自分の気持ちを正直に口にする人じゃないか。どうしてそれを忘れてしまっていたのだろう。
もう疑ったりしない。私たちの望みは、きっと同じだと信じよう。
涙声で「はい」と返事をすると、電話の向こうで大好きな人が優しく微笑むのがわかった。