ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
きっと、この人も根本的な部分は私と同じなのだ。大切な人に幸せであってほしいのに、自分の勝手な考えに囚われている。
「朱華さんの幸せは、朱華さんが決めるものです。彼女の選んだ人生を応援することが、彼女にとっての“さきはひ”に繋がるのではないでしょうか」
彼の心に、少しでも響くものがあってほしいと願いながら語りかけた。
それが届いたのか、彼の表情からは険しさが消え、伏し目がちになってなにかを考えているように見える。
しばし静寂に包まれる中、大和さんが一条社長に向かって口を開く。
「朱華さんのこと、心配していらっしゃるのは十分わかっています。だからこそ、僕たちの交際をしっかりと見守っていていただけませんか? 初音ちゃんの言う通り、それが僕たちにとっての“さきはひ”です」
ちらりと私に目配せして微笑んだ彼は、揺らぎのない声でそう訴えた。朱華さんも、朝羽さんも、彼に同調するように一条社長を見つめる。
皆の視線を受ける社長は、ひとつゆっくりと息を吐き、まず朝羽さんに視線を向けて話し始める。
「……実は、朝羽くんが条件を受け入れるつもりはないということは、霞から連絡があって聞いていた。だから、今日は君の気持ちが本物かどうかを確認しに来たんだ」
「朱華さんの幸せは、朱華さんが決めるものです。彼女の選んだ人生を応援することが、彼女にとっての“さきはひ”に繋がるのではないでしょうか」
彼の心に、少しでも響くものがあってほしいと願いながら語りかけた。
それが届いたのか、彼の表情からは険しさが消え、伏し目がちになってなにかを考えているように見える。
しばし静寂に包まれる中、大和さんが一条社長に向かって口を開く。
「朱華さんのこと、心配していらっしゃるのは十分わかっています。だからこそ、僕たちの交際をしっかりと見守っていていただけませんか? 初音ちゃんの言う通り、それが僕たちにとっての“さきはひ”です」
ちらりと私に目配せして微笑んだ彼は、揺らぎのない声でそう訴えた。朱華さんも、朝羽さんも、彼に同調するように一条社長を見つめる。
皆の視線を受ける社長は、ひとつゆっくりと息を吐き、まず朝羽さんに視線を向けて話し始める。
「……実は、朝羽くんが条件を受け入れるつもりはないということは、霞から連絡があって聞いていた。だから、今日は君の気持ちが本物かどうかを確認しに来たんだ」