ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
その言葉は意外だったらしく、朝羽さんはわずかに目を大きく開いて頷く。
「そうでしたか、父が……」
「昔の霞ならこういう話にはすぐに飛びついていたし、君たちも政略結婚だというから可能性があるかと思ったが、さすがにそうはいかなかったな。ふたりがちゃんと愛し合っていることもよくわかったよ」
苦笑混じりに言われ、私は一瞬朝羽さんと目を合わせたあと、恥ずかしくなって俯いた。
お義父様も朝羽さんも、誘惑に流されることがなくて本当によかった。引き続き飛高酒蔵を贔屓しようとしてくれていることにも、感謝しかない。
一条社長は、私たちに「悩ませて申し訳なかった」ときちんと謝ってくれて、ようやく心の底から安堵した。
そして、社長の鋭い瞳は、今度は大和さんへと向けられる。
「大和くん、といったな」
突然名前を呼ばれ、背筋を伸ばす彼に、社長は厳しい表情で告げる。
「朝羽くんの友人ということもあるし、ひとまず君を信じることにしよう。だが、娘を悲しませたら承知しないぞ。不幸にすることがあれば、君を地獄に叩き落としてやるからな」
「そうでしたか、父が……」
「昔の霞ならこういう話にはすぐに飛びついていたし、君たちも政略結婚だというから可能性があるかと思ったが、さすがにそうはいかなかったな。ふたりがちゃんと愛し合っていることもよくわかったよ」
苦笑混じりに言われ、私は一瞬朝羽さんと目を合わせたあと、恥ずかしくなって俯いた。
お義父様も朝羽さんも、誘惑に流されることがなくて本当によかった。引き続き飛高酒蔵を贔屓しようとしてくれていることにも、感謝しかない。
一条社長は、私たちに「悩ませて申し訳なかった」ときちんと謝ってくれて、ようやく心の底から安堵した。
そして、社長の鋭い瞳は、今度は大和さんへと向けられる。
「大和くん、といったな」
突然名前を呼ばれ、背筋を伸ばす彼に、社長は厳しい表情で告げる。
「朝羽くんの友人ということもあるし、ひとまず君を信じることにしよう。だが、娘を悲しませたら承知しないぞ。不幸にすることがあれば、君を地獄に叩き落としてやるからな」