ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
まず飛び出したのは、奇跡のような事実。
「路子さんは、私の恋人だった」
やはり、そうだったのだ。お祖父様は写真を撮っただけでなく、祖母の初恋の人だった。まさか、こんなふうに巡り会えるなんて。
信じられないけれど、とてもロマンチックな現実にうっとりしてしまう。
「私は彼女が好きで仕方なくてね、ずっと一緒にいたいと思っていたよ。だが、彼女は親の決めた相手と結婚することになった。当時はそれが絶対だったから、私も身を引くしかなかった」
遠い目をするお祖父様の表情には、心なしか影が落ちていた。私も切ない気持ちになっていると、朝羽さんが口を開く。
「だから、せめて孫の私たちには結ばれてほしいと願って、婚約破棄を反対したんですね」
「え……そうだったんですか?」
私は思わず朝羽さんのほうを振り向いた。お祖父様も婚約破棄の話を知っていて、反対してくれていたということは、今初めて知ったから。
朝羽さんは、ぽかんとする私に説明してくれる。
「父から一条社長との件を聞いた母が、ここに見舞いに来たときにその愚痴をこぼしたらしい。『婚約破棄させようとしてるんですよ。信じられないでしょう』って」
「路子さんは、私の恋人だった」
やはり、そうだったのだ。お祖父様は写真を撮っただけでなく、祖母の初恋の人だった。まさか、こんなふうに巡り会えるなんて。
信じられないけれど、とてもロマンチックな現実にうっとりしてしまう。
「私は彼女が好きで仕方なくてね、ずっと一緒にいたいと思っていたよ。だが、彼女は親の決めた相手と結婚することになった。当時はそれが絶対だったから、私も身を引くしかなかった」
遠い目をするお祖父様の表情には、心なしか影が落ちていた。私も切ない気持ちになっていると、朝羽さんが口を開く。
「だから、せめて孫の私たちには結ばれてほしいと願って、婚約破棄を反対したんですね」
「え……そうだったんですか?」
私は思わず朝羽さんのほうを振り向いた。お祖父様も婚約破棄の話を知っていて、反対してくれていたということは、今初めて知ったから。
朝羽さんは、ぽかんとする私に説明してくれる。
「父から一条社長との件を聞いた母が、ここに見舞いに来たときにその愚痴をこぼしたらしい。『婚約破棄させようとしてるんですよ。信じられないでしょう』って」