ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
真琴からお茶をコトリと置かれた兄は、じとっとした目で見上げる。
「シスコンじゃねーよ、純粋に愛してんだよ」
「もっとヤバいわ」
真琴が無表情でつっこんだ。ふたりのやり取りは、いつも息ぴったりで面白い。
しろちゃんはほんとアホだなぁと呆れつつ、他人事のように笑っていると、真琴がカウンターの向こうでおでんの様子を見ながら尋ねる。
「イカレてる兄貴は置いといて、今後はどうする予定? 籍を入れてから一緒に暮らすの?」
「あー、それがね……」
今日はその報告もするつもりだったので、私は箸を置き、結納のときのことを思い返しながら話し始めた。
* * *
お見合いで正式に結婚することを決めてから約一ヵ月後、さっそくわが家で結納の儀式が行われた。男性を両親と共に招き、女性の家で行うのが古いしきたりなのだ。
その儀式をひと通り終えたあと、『せっかくだからふたりで話してきたら?』と皆に促され、とりあえず外に出ることにした。
「シスコンじゃねーよ、純粋に愛してんだよ」
「もっとヤバいわ」
真琴が無表情でつっこんだ。ふたりのやり取りは、いつも息ぴったりで面白い。
しろちゃんはほんとアホだなぁと呆れつつ、他人事のように笑っていると、真琴がカウンターの向こうでおでんの様子を見ながら尋ねる。
「イカレてる兄貴は置いといて、今後はどうする予定? 籍を入れてから一緒に暮らすの?」
「あー、それがね……」
今日はその報告もするつもりだったので、私は箸を置き、結納のときのことを思い返しながら話し始めた。
* * *
お見合いで正式に結婚することを決めてから約一ヵ月後、さっそくわが家で結納の儀式が行われた。男性を両親と共に招き、女性の家で行うのが古いしきたりなのだ。
その儀式をひと通り終えたあと、『せっかくだからふたりで話してきたら?』と皆に促され、とりあえず外に出ることにした。