ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
今日は日差しが降り注いでいて、日なたにいれば温かい。
蒸したばかりのお米の湯気と、そのいい香りが充満している酒蔵を軽く案内してから、なんとなく裏にある庭に向かう。たいして広くはないものの、小さな池や盆栽があり、落ち着く場所だ。
私は振袖姿で、ブラックスーツを着こなすいつでもカッコいい朝羽さんの隣を、微妙な感覚を開けてゆっくりと歩く。
なんだか緊張するな……と思いながら、会話のネタを探していたとき、「初音さん」と呼ばれた。
足を止めて振り向くと、マネキンのように綺麗な無表情の朝羽さんがいる。彼はわずかに真剣さを帯びた瞳で私を見つめ、口を開いた。
「一緒に暮らしませんか」
ドキリ、胸が鳴る。
唐突にまたプロポーズのようなひとことをかけられ、目をしばたたかせる私に、彼はつらつらと説明する。
「私が勤めるホテルは、ご存じの通り東京にあります。そこで、すぐにでもアドバイザーとして働いていただきたいと思っています。入籍まで待つのは時間がもったいない」
蒸したばかりのお米の湯気と、そのいい香りが充満している酒蔵を軽く案内してから、なんとなく裏にある庭に向かう。たいして広くはないものの、小さな池や盆栽があり、落ち着く場所だ。
私は振袖姿で、ブラックスーツを着こなすいつでもカッコいい朝羽さんの隣を、微妙な感覚を開けてゆっくりと歩く。
なんだか緊張するな……と思いながら、会話のネタを探していたとき、「初音さん」と呼ばれた。
足を止めて振り向くと、マネキンのように綺麗な無表情の朝羽さんがいる。彼はわずかに真剣さを帯びた瞳で私を見つめ、口を開いた。
「一緒に暮らしませんか」
ドキリ、胸が鳴る。
唐突にまたプロポーズのようなひとことをかけられ、目をしばたたかせる私に、彼はつらつらと説明する。
「私が勤めるホテルは、ご存じの通り東京にあります。そこで、すぐにでもアドバイザーとして働いていただきたいと思っています。入籍まで待つのは時間がもったいない」