ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
こんなやり取りもしばらく見られなくなると思うと寂しいけれど、この兄のためにも、心機一転して頑張らなきゃ。
これからは、朝羽さんが私のオアシスになってくれたらいいな。……辛くなったら頼っていいんだよね、旦那様になるんだから。
きっと彼なら、ちゃんと話を聞いてくれそうな気がする。
指輪を眺めて、麗しき婚約者の姿を脳裏に蘇らせていたとき、真琴がこちらを見つめていることに気づいて顔を上げた。
彼女は口元に穏やかな笑みを浮かべ、いつの間にかお客さんから頼まれていたらしいおでんをお皿に盛りながら言う。
「最初縁談の話を聞いたときは心配しかなかったけど、あんたの顔を見てる限り、意外とうまくやれるんじゃないかって思えてきたわ。悪い人じゃなさそうだし、そのホテル御曹司」
前向きな言葉をもらえるとさらに気分が明るくなり、私も唇を弓なりにする。
「私も、なんとなくうまくやれそうな気がするよ。彼、ちょっと真琴と似たところがあるし」
「どこよ?」
「無愛想だけど、根は優しそうなところ」
前から思っていたことを口にすると、パチパチと瞬きした真琴が、「……全然似てないじゃん」と無表情でつっこむから、また笑ってしまった。
これからは、朝羽さんが私のオアシスになってくれたらいいな。……辛くなったら頼っていいんだよね、旦那様になるんだから。
きっと彼なら、ちゃんと話を聞いてくれそうな気がする。
指輪を眺めて、麗しき婚約者の姿を脳裏に蘇らせていたとき、真琴がこちらを見つめていることに気づいて顔を上げた。
彼女は口元に穏やかな笑みを浮かべ、いつの間にかお客さんから頼まれていたらしいおでんをお皿に盛りながら言う。
「最初縁談の話を聞いたときは心配しかなかったけど、あんたの顔を見てる限り、意外とうまくやれるんじゃないかって思えてきたわ。悪い人じゃなさそうだし、そのホテル御曹司」
前向きな言葉をもらえるとさらに気分が明るくなり、私も唇を弓なりにする。
「私も、なんとなくうまくやれそうな気がするよ。彼、ちょっと真琴と似たところがあるし」
「どこよ?」
「無愛想だけど、根は優しそうなところ」
前から思っていたことを口にすると、パチパチと瞬きした真琴が、「……全然似てないじゃん」と無表情でつっこむから、また笑ってしまった。