ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜

洗練されたおしゃれなショップを見て回り、とりあえず必要な服は買えた。

右手にその紙袋を持ち、左手を繋いでくれている朝羽さんが、ランチの場所を選ぼうと歩いている最中に、とあるショップの前で立ち止まる。

上品なデザインのロゴを見て、私も名前を聞いたことがあるファッションブランドだとわかった。黒を基調とした外観からして高級そう。


「ランチの前に、ここに少し寄りたいんですが」


朝羽さんの言葉に、私は快く「はい、どうぞ」と頷く。

お腹はいい感じに空いているけれど、彼がどんな服を買うのかも見てみたい。

興味津々でついていくと、中にはレディースの服や小物がセンス良くディスプレイされている。中央に螺旋階段があるから、メンズは二階なのだろうか。

スタッフの方も品が良くて、絶対ひとりでは入れないお店だ。朝羽さんはもちろん馴染んでいるけれど、私は場違いな気がして肩身が狭い。

それでも、チープなものとはやはりどこか違う服たちには目が奪われる。

朝羽さんにくっついて、見ているだけでも楽しんでいると、ふいにこう問いかけられる。

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