ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
「早く子供も欲しいし?」

「はい、子供も…………いやっ、だから、そのために一緒に寝たいと言っているわけじゃ!」


朝羽さん、今の絶対からかったでしょう!? 思わず認めちゃったじゃないですか!

かあっと顔を熱くして、必死に否定する私。珍しくクスクスと笑った彼は、なんだか妖艶さを漂わせる瞳で見つめてくる。


「俺も男だから、なにするかわからないよ?」


ドキン!と、大きく心臓が飛び跳ねた。

セクシーな声で、急に危険な雰囲気を醸し出すからびっくりする。呼び方も“俺”になっているし、本当の彼が現れたようで……。

目を見張ったのもつかの間、朝羽さんはゆっくりまつ毛を伏せて優艶な色を隠した。


「まぁ、今のは半分冗談として」

「半分?」


もう半分は本気なんですか、と若干ギクリとするも、続けられる彼の言葉に耳を傾ける。


「初音さんの気持ちはわかりました。私もベッドはひとつで構いません。あなたが嫌がるだろうと思って、もうひとつ買おうとしただけなので」


一緒に寝ることを承諾してくれて、ひとまずホッとした。すると、彼は思慮するように目を伏せ、わずかに戸惑いを露わにする。

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