ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
ヘルシーでありながら食べ応えのあるランチを堪能したあとは、青山通りを散策しながらのんびりとマンションに戻った。
朝羽さんはさすがというべきか、名所でもそうでもないところでも、その場所にまつわる歴史や小ネタを教えてくれて、知識の豊富さに終始感心しながら聞いていた。
案の定、説明が淡々としているものだから、なんだか社会見学で案内をしてくれる先生みたいで、ちょっと笑ってしまったことは秘密にしておく。
楽しかった今日の締めくくりともなる夕飯はちゃんと作ろうと思い、スーパーで食材も買い込んだ。
私はあまり手の込んだ料理はできないけれど、一般的な家庭料理ならだいたい作れる。
夕飯は和食の気分だと意見が一致したので、定番中の定番である肉じゃがにすることに決めた。
彼は好き嫌いはほとんどないものの、唯一苦手な食べ物はゴーヤらしい。
「あれを食べる意味がわからない」と、ゴーヤに同情するくらい冷たい目をして言う彼にも失笑してしまった。