ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
「今朝、意外と早くに目が覚めたんだ。俺も緊張してたのかもな……」

「……うそ」


信じられない気持ちで、思わず呟いた。

だって、私と出かけることで緊張していただなんて。

何事にも動じなさそうなこの人に限ってそんなことはないはずだけど、もし彼も私と同じようにドキドキしてくれていたとしたら、ちょっと嬉しい。

うつらうつらしていた彼は、びっくりするくらいの早さで寝息を立て始める。

その寝つきの良さにクスッと笑いつつ、いつまでも見ていたいと思うほどに綺麗な寝顔に向かって囁く。


「おやすみなさい、朝羽さん」


今日一日で、だいぶ距離を縮められたかな。まだ夫婦と呼べるには程遠いけれど、恋をする準備は着々と整えられてきているような気がする。

今度は、このベッドの中で手を繋ぐことを目標にしようかな、なんて思いながら、私も心地の良い眠りについた。




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