ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
◆相思相愛のふたりを想像すべし
事実上の旦那様と同じベッドで夜を過ごすようになって二日が経ち、新しく発見したことがいくつかある。
まず、意外にもよく眠れるということ。掛け布団の取り合いにもならず、お互いに寝相がいいこと。
そして、彼の寝顔は朝になっても綺麗で、一晩では髭もほとんど生えないということと、あとひとつ。
「朝羽さん、朝ですよー」
ひと足早く起きて朝食の準備をしていた私は、彼が起きる時間にシャッと遮光カーテンを開けて声をかける。
熟睡していた彼は、差し込む朝日で眩しそうに顔をしかめ、ごそごそと寝返りを打ちながら呟く。
「ん……あと五秒……」
「五分じゃなく?」
天然でボケる彼に思わずつっこんだ。
笑いをこぼしている間に五秒経ったので、遠慮なく布団を剥がし、渋々といった様子でのそりと上体を起こす旦那様の顔を覗き込む。
「おはようございます」
「おはようございます……」
ボサッと髪を乱し、目を開けることなくカクリと頭を下げる彼は、まだ半分夢の中にいるようだ。敬語だし。
そう、新発見の最後のひとつは、朝羽さんの寝起きが悪いということ。寝つきはものすごくいいのに。