ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
私は朝羽さんを愛していて、彼も私を……?

言われた通りに想像すると、恥ずかしさとはまた違う、言いようのない熱が身体の内から湧いてくる。胸の奥が甘く疼くような、これまでに味わったことがない感覚。

もしかしてこれが、好きな人に愛される幸せっていうものなのだろうか。


「皆への振る舞いもイメトレのひとつだと思えばいいんじゃないか。理想を、現実にするための」


目を見張って固まったままの私を見つめ、朝羽さんは諭すように言った。

理想通りになるように行動していれば、いつかそれが現実になるかもしれない。そうやってポジティブに考えるのもいいかも。

口角を上げて「はい」と頷くと、彼もふっと小さく笑みをこぼして手を離した。火照る片方の頬に、今度は自分の手を当ててみる。

私たちの目標は、相思相愛の夫婦になること。それを再確認し、きっと達成してやるぞ、と改めて誓った。


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