ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
大石さんの言葉で、そうか、そう思っておけばいいのか、と単純な私はすぐにポジティブ思考に切り替わる。
私だけに素を見せてくれているのだと考えれば、特別感が得られるもんね。
寝起きが悪くて可愛い、というのも朝羽さんのプライベートな一面だけど、これもきっと私だけが知っている特別なこと。皆には内緒にしておこう。
ちょっぴり含み笑いしつつポップを飾っていると、大石さんがニコニコしながらこんなことを言う。
「霞さんが初音ちゃんみたいな子を選んでくれて、なんか嬉しいわよねぇ。あの噂も間違いだったんだって証明されたわけだし」
「“あの噂”?」
なんだか意味深な言葉が引っかかってぴたりと手を止めた私は、目線を大石さんに移す。
その瞬間、「あうっ」という声とともに、大石さんが海老のように身体を反らせた。なにが起きたかと目を見張ると、水岡さんが彼女の腰を指で突いたらしい。
大石さんは腰を手で押さえ、驚きと困惑が混ざった顔をする。
「なにすんの梢ちゃん!?」
「すみません、今急激に飛び蹴りしたくなったんですけど、さすがにできないのでこれで抑えました」
なぜか仏頂面でそんな発言をする水岡さんは、大石さんの腕を引っ張り、私から少し離れたところでコソコソと話し始める。
私だけに素を見せてくれているのだと考えれば、特別感が得られるもんね。
寝起きが悪くて可愛い、というのも朝羽さんのプライベートな一面だけど、これもきっと私だけが知っている特別なこと。皆には内緒にしておこう。
ちょっぴり含み笑いしつつポップを飾っていると、大石さんがニコニコしながらこんなことを言う。
「霞さんが初音ちゃんみたいな子を選んでくれて、なんか嬉しいわよねぇ。あの噂も間違いだったんだって証明されたわけだし」
「“あの噂”?」
なんだか意味深な言葉が引っかかってぴたりと手を止めた私は、目線を大石さんに移す。
その瞬間、「あうっ」という声とともに、大石さんが海老のように身体を反らせた。なにが起きたかと目を見張ると、水岡さんが彼女の腰を指で突いたらしい。
大石さんは腰を手で押さえ、驚きと困惑が混ざった顔をする。
「なにすんの梢ちゃん!?」
「すみません、今急激に飛び蹴りしたくなったんですけど、さすがにできないのでこれで抑えました」
なぜか仏頂面でそんな発言をする水岡さんは、大石さんの腕を引っ張り、私から少し離れたところでコソコソと話し始める。