ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
ただ、朝羽さんは相変わらず家では無愛想で、必要なこと以外はあまり喋らない。

なにを考えているのかいまいちわからないから、彼を観察してしまうことも多かったりする。

とりあえず仕事も私生活も順調ではあるけれど、どちらからも学ぶことはまだまだ山ほどあり、勉強を重ねる日々なのだ。


 *


「Excuse me」


仕事中、綺麗な声の英語で話しかけられて振り向けば、背が高くて顔が小さなブロンド美女がいた。

思わず目が釘づけになるも、続けてペラペラとなにかを質問されて、私はフリーズする。

元々店番をしていたから接客は慣れているものの、外国人のお客様を相手にすることはほとんどなかったため、こういうとき非常に困るのだ。

この一週間、何度か外国の方が来店したけれど、カタコトで話してくれる人だったから、なんとか私でも対応することができた。

しかし、今目の前にいるこの白人女性は、日本語がまったく話せない様子。

こういうときは、もちろん英語がわかる人に助けを呼ぶことになっている。今のシフトの中で話せるのは水岡さんしかいないのだが、彼女はタイミング悪く電話対応している真っ最中だ。

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