ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
休憩に入り、水岡さんと一緒に同じ階にあるカフェに向かった。
駅から直結している階段のそばにあるその店は、意外とカジュアルな雰囲気で入りやすい。
店内の入り口にはスイーツショップが併設されていて、ショーケースの中にカラフルなケーキがずらりと並んでいる。
それに目を奪われそうになりつつ、水岡さんが予約しておいてくれた席につき、彼女オススメのランチプレートを頼んだ。
するとさっそく、長い髪を手でふわっと後ろに払った水岡さんが、優しい笑顔でこう切り出す。
「初音ちゃん、なにかあったなら話聞くよ。さっきちょっと元気がないように見えたから。余計なお世話だったらごめんね」
……水岡さん、すごい観察力。私の些細な変化に気づいていたんだ。だからこうして誘ってくれたのね。
彼女の心遣いをとても嬉しく思いながら、苦笑混じりに「たいしたことではないんですけど」と前置きして、先ほどの件を話した。
親身に聞いてくれた彼女は、腕を組んで共感するように頷く。
「わかるー。私だって最初は全然会話できなかったもの」
英文科出身の彼女がそうだったというのは意外で、私は目を丸くした。