ご縁婚〜クールな旦那さまに愛されてます〜
その場から離れようと動き出した彼に、私は「朝羽さん」と呼びかけた。振り向いた彼を見上げ、瓶を軽く持ち上げてみせる。
「一緒に飲みましょう。この花曇り」
にこりと微笑み、続けて今思いついた提案をしてみる。
「これから、毎日じゃなくていいから、時間があるときたまにはふたりでお酒を飲んで、お互いのことを話しませんか? その日あったことでも、昔の話でも、なんでもいいので」
一緒にご飯を食べて、同じベッドで眠る。それでも十分な夫婦の時間になるけれど、私たちにはそれだけでは足りないのだ。
「私たち、まだ知り合って日が浅いから……もっとたくさん、朝羽さんと一緒の時間を過ごしたいんです」
忙しくて、なによりおしゃべりではない彼にとっては、ちょっと面倒なことかな。
少しだけ懸念しつつも素直な気持ちを伝えると、朝羽さんは伏し目がちになり、納得したように頷いた。
「……確かに、コミュニケーション不足だったかもな」
いつもの淡々とした口調で呟いた彼は、身体の向きをこちらに変えたかと思うと、私のそばに歩み寄る。
隣に腰を下ろされ、私のわずかな緊張を表すようにソファがギシリと軋んだ。
「一緒に飲みましょう。この花曇り」
にこりと微笑み、続けて今思いついた提案をしてみる。
「これから、毎日じゃなくていいから、時間があるときたまにはふたりでお酒を飲んで、お互いのことを話しませんか? その日あったことでも、昔の話でも、なんでもいいので」
一緒にご飯を食べて、同じベッドで眠る。それでも十分な夫婦の時間になるけれど、私たちにはそれだけでは足りないのだ。
「私たち、まだ知り合って日が浅いから……もっとたくさん、朝羽さんと一緒の時間を過ごしたいんです」
忙しくて、なによりおしゃべりではない彼にとっては、ちょっと面倒なことかな。
少しだけ懸念しつつも素直な気持ちを伝えると、朝羽さんは伏し目がちになり、納得したように頷いた。
「……確かに、コミュニケーション不足だったかもな」
いつもの淡々とした口調で呟いた彼は、身体の向きをこちらに変えたかと思うと、私のそばに歩み寄る。
隣に腰を下ろされ、私のわずかな緊張を表すようにソファがギシリと軋んだ。