伝えられない想いをショコラに託して

今まさに、私がそんな顔を徹さんにさせているのだと思うとせつない。

何か言おうと思うのだが、焦ってうまい言葉が浮かばない。

妙な沈黙が流れたのは、わずかな間だった。

「やっぱり、灯里ちゃんの顔を見て話ができないのは、もどかしいね。これから、灯里ちゃんの部屋へ行くから!」

「えっ!?」

徹さんの爆弾発言に、私は固まる。

「ダメ!て言われても、絶対に行く。今日は、灯里ちゃんの本当の気持ちを聞くまで、ずっと傍にいるから!」

徹さんの言葉に、ドキッと胸が鳴った。

「いや、その前に…僕の想いを、灯里ちゃんに伝えるから。それに応えてくれたら、嬉しいな」

徹さんの甘い声が柔らかく響き、なんだか冷静になれない。

徹さん、そんな事言われると……私、期待しちゃうよ……?

甘い予感に、私はケータイを握りしめた。



END


< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop