【短編】毒舌年下にこっそり恋してます
毒舌年下にやられっぱなしはよくないけれど
「先輩、ここ、まちがってますけど?」
「え、やだ、ホントだ!」
「ったく……」
昼下がりのオフィス。
隣の席の3つ年下の後輩くんがあからさまに舌打ちした。
「堀内くん、ありがとう! 助かったぁ。あの鬼課長に怒られなくてすんだ。ホントにありがとね!」
「……いえ、別に。先輩が怒られるのがかわいそうで言ったわけじゃないし。むしろ鬼課長にみっちり叱っていただいた方がオレとしては助かるんですけどね?」
「ははは……」
「アンタ、バカですか?」
ニヤリと笑う堀内くんの目は据わっていて、ちょっと怖い。
そそっかしい私はよく入力ミスをしてしまう。“お前は何年たてば新卒からぬけられるんだっ! このクソがっ!”と鬼課長から罵倒されることしばしば。
そんな私を見て育った後輩の堀内くんは私を卑下にあしらう毒舌年下。
でも。
仕事もできて、優しかったりする。
なんだかんだ言ったって、こうして私が作成した書類をチェックしてくれる。
でも恋愛対象者ではないだろうな、私。
「え、やだ、ホントだ!」
「ったく……」
昼下がりのオフィス。
隣の席の3つ年下の後輩くんがあからさまに舌打ちした。
「堀内くん、ありがとう! 助かったぁ。あの鬼課長に怒られなくてすんだ。ホントにありがとね!」
「……いえ、別に。先輩が怒られるのがかわいそうで言ったわけじゃないし。むしろ鬼課長にみっちり叱っていただいた方がオレとしては助かるんですけどね?」
「ははは……」
「アンタ、バカですか?」
ニヤリと笑う堀内くんの目は据わっていて、ちょっと怖い。
そそっかしい私はよく入力ミスをしてしまう。“お前は何年たてば新卒からぬけられるんだっ! このクソがっ!”と鬼課長から罵倒されることしばしば。
そんな私を見て育った後輩の堀内くんは私を卑下にあしらう毒舌年下。
でも。
仕事もできて、優しかったりする。
なんだかんだ言ったって、こうして私が作成した書類をチェックしてくれる。
でも恋愛対象者ではないだろうな、私。
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