【短編】毒舌年下にこっそり恋してます
今日はバレンタインデー。定時をすぎる頃には堀内くんのデスクはチョコの箱でいっぱい。

背も高いし、清潔感もある。私以外の人には毒舌吐いたりしないから結構モテる。どう見ても義理には見えない高級品ばかり。ほらまた、総務課の女の子がチョコを持ってきた。お世話になってますと一言添えながらもゴディバのチョコだ。

私も堀内くんにあげたいのに……。

バンっ!
気づくと堀内くんは私の隣に立って、私のデスクの天板を叩いていた。壁ドンではないけれど、デスクドン的な?

ギロリと冷たい瞳で私を見下ろす。

「先輩、うらやましそうに眺めてるんですか。よだれが垂れてますよ、書類に」
「えっ!」
「嘘に決まってるでしょ……すぐ引っかかるんだから。バカ」

ほらまた。そんな彼の毒舌に今日も落ち込む。

「チョコすごいね! 大収穫?」
「そうですか?」
「だって沢山」
「こんなもの意味ないですよ」
「どうして?」

堀内くんの顔をのぞきこむと、頬をぱっと赤らめた。
かわいいなぁ。この顔を独り占めできたら……。

「……ホント、バカ」
「ちょっ、なんで?」
「なんでわかんないの。オレはアンタからのチョコじゃなきゃ意味ないんだけど」
「ふうん。そう。ええっ?」

チョコくれないなら、アンタの唇もらうから、と屈んで私にキスをした。


(おわり)

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