彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「僕が言いましょうか?」
「え?『僕が』って・・・!?」
「チョコちゃんがか!?」
「はい。」
龍星軍の名前だして何とかなったなら、私でもできるかもしれない。
(だって私、4代目総長だもん!)
『漢』として、胸を張って申し出た結果。
「ダメダメ!チョコちゃん、危ないことはするんじゃない!」
「そうよ!怪我でもしたらどうするの!?おばあさん、泣いちゃうよ!?」
私の身を案じて断ってきた。
その優しさに感謝しつつも伝える。
「大丈夫です!何度も言いますが、僕は『凛道蓮』ですよ。修羅場はたくさん経験してますから!」
「チョコちゃんよぉ・・・世の中はな、見た目が肝心なんだよ。」
「確かに僕は小さいですが、それをカバーする戦いができます。」
「ほっほっほっ!そうじゃないわよ~!」
「では、なんですか??」
「パッと見て、『凛道蓮だ』って、相手が納得できなきゃ、名乗っても意味ねぇだろう~?がははははは!」
「そうそう、お父さんの言う通りよ~!仮にエイプリルフールだとしても、バレる嘘はつかないでしょう?」
「・・・・え?」
(今私・・・すっごくひどいこと言われたんじゃない・・・?)
〔★真実ほど残酷なものはない★〕
「そ・・・それは言いすぎですよ!僕はー!」
「いいから、いいから。気をつけて帰るのよ。」
「本当に可愛い子ね~」
私を子ども扱いする大人達の親切に言葉を失う。
「そうだ、おじさんもお菓子をあげよう!せんべいだ!」
「え?あの。」
「よかったわね、チョコちゃん?」
「食べたら、ちゃんと歯磨きするんだぞ~?」
「あ、あの、ちょっと!?」
エコバックに追加で食べ物を入れると、止まってる車とは逆方向に回れ右させられる。
「「バイバイ、チョコちゃん~またおいで!」」
呆然とする私をなごやかに送り出すと、店内へと姿を消した。
〔★ごり押しだった★〕