彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「とんでもないです!すんません!」

「オメーみたいなのがいるから、こっちがパトロールしてんだろうが!?」

「あ!?ホントだ!?腕章つけてる!?」

「文句あるか?」

「あ、ありません!!すみませんすみません!マジで、すみませんでした!!」

「だったら、帰る前にそのおば様にお詫びして来い。」

「わ、わかりました!」

「タダで駐車しやがったんだから、誠意見せろよ・・・!?」

「も、もちろんです!今すぐ!!」



そう言ったのでトンファーを下げれば、その場で90度のお辞儀をして走り去る男。

方向からして、おばさんのお店の方へ行ったのだと思う。



「・・・このまま、逃げたりしないよね?」



気になったので、奴が帰ってくるまでその場で見張る。

程なくして、転げるようにお店から出てくる男。



「ちょっと、待ちなさいよ!」



その後から奥さんが出てくる。



「すんません!ちゃんと詫びを入れましたので!!」



私の前で敬礼しながら言うと、すごい速さで車に乗り込む。



「あんたっ!!チョコちゃんに、なにしてんの!?」



駆け寄ってきた奥さんが私を抱きしめた時、車は爆音を響かせながら走り去っていた。



「チョコちゃん、なにがあったの!?」

「奥さんは、何がありましたか?」

「え!?いえね・・・無断駐車してたのを謝られて、お金を置いて行かれたんだけど・・・」

「そうですか。お金、足りますか?」

「うーん、3千円だからね・・・」

「赤字ですか?」

「そうだね~でも、商売してたわけじゃないし、払っていくだけマシね!あはははは!」



(じゃあ、今回は良しとしよう。)



追い払うことが目的だったしね。

程なくして、烈司さんのバイクが視界に映った。



〔★凛は違法駐車を追い払った★〕


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