彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「も、もしかして!パトロールを強化しないといけないほど、治安が悪いんですか!?」
何とか、獅子島さんの怒りを消そうと、話題を変える。
これに先輩達は答えてくれた。
「治安もだけど、マナーもじゃねぇーか?」
「そうね。騒音ぐらいじゃ、警察は逮捕できないもんねぇ~」
「実際問題、治安が悪くなっているのは事実だろう。」
「わはははは!俺様は見かけないぞ~!?」
「あんたの活動時間は真夜中で、活動場所はアダルト関係のお店ばっかでしょう?悪化してるのはそれ以外のかたぎの店よ。」
「ちょっと半グレが調子に乗ってはいるかもな・・・」
「そういえば、お店に居座ってたのは半グレらしいです。」
そこまで言って思い出す。
「あの・・・『MESSIAH(メシア)』という半グレが悪さをしてるのは、みなさんご存知ですか?」
「知ってるけど・・・興味あるのか、凛たん?」
「それが原因で、ちーちゃんが逮捕されて釈放されたんです。」
「うそ!?マジなのぉ~!?」
「マジです、モニカちゃん。」
「出れたのならいいではないか。」
「それはそうですけど・・・」
「わはははは!よく出てこれたな!?」
「弁護士さんが来てくれたそうですよ、百鬼さん。」
「ふん、幡随院家なら当然か。」
「そうなんですか?」
「知らんのか?」
「え?」
「幡随院から聞いてないのか、凛道?」
本のページをめくる手を止めながら言う獅子島さん。
「MESSIAHのことは聞きましたが?」
「そういうことではないが、まぁいい。MESSIAHにはかかわるなよ。」
「それは・・・」
「瑞希にも言われてるだろう?」
念を押すように聞く眼鏡の先輩。