彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
◇毒をもって毒を制す!龍星軍流の悪人退治!!◇
烈司さん達の仕事は早かった。
すぐに会長さんに、私がパトロールに参加すると伝えてしまった。
「困りますよ!?」
瑞希お兄ちゃんと会う時間が減っちゃう!
「まぁ、夏の間だけだから我慢してくれ。」
「瑞希お兄ちゃん!?」
帰宅した愛しい人は、拗ねた顔で私をさとす。
烈司さんからの連絡で、パトロールの件を知った瑞希お兄ちゃん。
(あんなにダメって言ってたから、反対してくれるよね!?)
そんな期待はあっさり裏切られた。
「俺としても不本位だが・・・・俺の顔を立てると思って、少しだけパトロールしてくれねぇーか、凛?」
「ええ!?」
まさかの許可が出た。
「なぜですか!?」
「凛の側に誰かいた方が良いからだ。」
私の問いに、瑞希お兄ちゃんはあっさり答える。
「高千穂達は宿題で動けねぇし、俺らも最近忙しいから、側にいてやれない。」
「忙しいんですか?」
「ちょっとな。」
・・・・そういえば、MESSIAHの件は俺らが何とかするって瑞希お兄ちゃんは言ってたわね・・・・
(お兄ちゃんも、私の目をMESSIAHからそらすために、パトロールをしろというのね・・・)
なんとなく、相手の本音がわかって複雑な気持ちになる。
「お待たせ~」
そこへ、自室で作業していたモニカちゃんが戻ってくる。
「出来たわよぉ~」
その手には白のTシャツ。
「モニカちゃんお手製のパトロール用のお洋服よん!」
差し出されたのはかっこいアプリコットがついた服。
夜回り組はひらがな。
「あの・・・龍星軍のロゴが入ってるんですけど?」
ローマ字で龍星軍と刺繍されていた。
「そりゃそうよ~龍星軍用の普段着に夜回り組の文字を追加したんだもん。」
「普段着!?」
「あら、族は自分のチームを愛してるのよぉ~!普段着にもこうやって、プリントしてるのよ!」
「目立ちすぎませんか?」
「大丈夫!龍星軍は宣伝の意味もあるのよ!ほら、スポンサー広告とかあるじゃない。」
「スポンサー広告って、企業がしてることでしょう!?龍星軍は企業じゃないでしょう!?」
〔★非行組織だ★〕