彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「ど、どうした、チョコちゃん!?急に大声出して!?」

「た・・・耐えられませんよ!そんな!突然いなくなって、探しても見つからなないなんてつらすぎます!」

「それで大声出したのか、チョコちゃん!?みさききゃんに共感してくれたのか!?」

「うう・・・!みさきさん!ぼ、僕に出来ることがあれば、何でも言って下さい!協力します!」

「チョコ君・・・!」

「良く言った、チョコちゃん!それでこそ、男だ!!そうだ、みさきちゃん!チョコちゃんに、妹ちゃんを見てもらったらどうだい?」

「あ!そうですね・・・。チョコ君・・・この子、見たことない?」



そう言って見せてくれたのは、ツインテールの女の子が写っている携帯画面。

イマドキ風の可愛い子だった。



「この子が私の妹の春野なずな、中学二年生よ。」

「どうだい、チョコちゃん?心当たりはないか?」

「・・・いえ、初めて見ました。」

「だよね・・・・。そんなに簡単に見つかるはずないよね。」



気まずい思いで言えば、残念そうにスマホをひっこめるお姉さん。



「妹さんは、なぜ家出を?」

「反抗期だったんじゃないかな?あと・・・学校も家も楽しくないとか言ってたから・・・」

「わしらも協力してんだが、見つからないんだよな・・・」

「なずな・・・どこにいるの・・・?」



携帯を握りしめ、項垂れてしまうお姉さん。



(・・・私の両親も、こんな感じだったのか・・・?)



家出した経験があるだけに、複雑な気持ちになってしまう。



(私の場合は1日で帰ったけど、2週間か・・・)



あの時、瑞希お兄ちゃんと2週間も過ごせたらどうだっただろう。



〔★幼児誘拐で瑞希がアウトになる★〕



「2週間ということですが・・・お金は持っているんですか?」

「お年玉を全部下ろして出て行ってたわ。お金がなくなれば、私に電話してくるんじゃないかと思ってるんだけど・・・・」

「連絡も来ないんですね?」



私の問いに無言でうなずく。

そんなお姉さんを見ていたら、やはり放っておけなくなる。



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