彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「役に立つかわからないが・・・」
「はい?」
「広場が、あるんだ。」
「え?」
「家出した子供が集まるところがあるんだ・・・」
家出した子が集まる・・・?
「まさか、『神待ちスポット』のことですか!?」
「どう呼ばれてるか知らないが、携帯で探せばわかるはずだぞ?」
「そっか!すぐにググりますね!」
画面を切り替えて検索する。
程なくして、そういう口コミのあるサイトにつながった。
「ありました!なんで、気づかなったんだろう・・・!?」
「『そういう目的』で、ネットを使わないからだろう?家出中のガキなんて、寝泊りできる場所がほしい連中ばっかりだからな・・・」
「なるほど!・・・あれ?丸山さん、携帯持ってるんですか?」
「持ってない。」
「なら、どうしてこのことを・・・?」
「俺達の間じゃ、そーゆー場所は有名なんだよ。会社と家の往復しかしない奴と違って、1日中街をぶらぶらしてるからな。」
「そうでしたか!助かりましたよ!」
「た、『助かりました』って・・・?」
「ええ!これで、探すめどがつきました!」
「は?まさか、そこに行くわけじゃないよな・・・!?」
「行きますが?」
「今はやめろ!半グレがうろついてんだぞ!?」
「半グレ!?」
「そうだ!『MESSIAH』っていうのが、片っ端から家出したガキに声をかけて、犯罪の片棒を担がせてるんだ!」
「そこで活動してるんですか!?」
MESSIAHの名前が出たことで、嫌な予感が増す。
「ああ、活動してるぞ!見た目の良いガキだけ選んで、薬漬けにして、売春させてるんだ!いくら暴走族のヤンキーでも危ないぞ!?」
「現場を見たんですか?」
「いや、見た人からの話ではそうなんだ。みんな知ってることで・・・」
「なぜ、警察に言わないんですか?少女達に危ないと教えないんですか?」
「ホームレスの言うことを、警察が信じると思うか?」
「言ってみないとわかりませんよ。」
「信じなかったから言ってるんだっ!!」
今までにない大声で丸山さんが怒鳴る。