彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「俺と会った時、俺がどんな状態だったか思いだせよ!クソガキにゴミのように扱われてただろう!?そういうことなんだよ!」
「丸山さん・・・」
「こんなはずじゃなかった!俺だって好き好んでホームレスなんか・・・!」
「・・・ごめんなさい。」
謝罪すれば、丸山さんが私を見る。
なんだか、マズいことを言ったという顔をしていた。
「・・・いや、言いすぎた。チョコにあたっても、仕方ないことだったのに・・・すまない。」
丸山さんは謝ってきたけど、なんとなく、彼は悪くない気がした。
「いえ、お気になさらないでください。僕が、嫌な思いにさせてしまいましたから。そんなつもりはなかったんです。ごめんなさい。」
そう告げて立ち上がる。
「あの、教えてくれて、本当にありがとうございました。また何かあれば、お願いします。」
「お、おい!待っ・・・」
何か言っていたけど、お礼を言ってその場を去る。
半分逃げるような形にはなったけど、収穫はあった。
これで家出っ子を追う手掛かりが出来た。
(家出した子供が集まる場所・・・そこに、なずなちゃんもいるかもしれない。)
あとは、MESSIAHとのかかわりがなければいいんだけど・・・
(MESSIAHがどういう動きをしてるか、把握しておいた方が良いかも・・・。)
オトリとして、出向いた方が良いかもしれない。
できれば、瑞希お兄ちゃんのいいつけを破るような真似はしたくないので、彼女の無事を祈りつつも、半グレとは無関係であることをひたすら祈った。