彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「もしかして・・・・協力してくださるんですか!?」

「・・・・悪いか?」



予想していなかった申し出を聞き返せば、視線をそらしながら言う丸山さん。



「悪いなんて、僕のセリフですよ!本当に、手を貸してくださるんですか!?」

「仕方ないだろう・・・チョコは、危なっかしくて見てられないんだよ。」

「ありがとうございます、丸山さん!助かります!」



感動のあまり、ギュッと彼の手をにぎるが、すぐにふりはらわれた。



「よ、よせよ!い、いいから!早くプリントアウトした画像を用意してくれよ!とりあえず、100枚だ!」

「わかりました!」

「ははは!まるちゃん照れてるな~!?」



帽子をかぶっていたおじさんが笑いながら言った。



「チョコちゃんだっけ?まるちゃんはな、チョコちゃんに助けてもらってから、ずっとチョコちゃんを気にしてたんだぜ?」

「え?」

「ぐっさん、なに言ってるんですか!?」

「そうだろう!?チョコちゃんをつけてたんじゃないか?」

「えっ!?」



私をつけていた!?

それは困る!



「そんなことしないでください。」

「ぐっ・・・!」



(うっかり、凛道蓮に変身するところを見られるとマズい!)



「そんなことしないで、丸山さん!」

「お、俺は別に~」

「僕、お礼がしてほしくて助けたとかじゃないです!だからどうか、お礼をするタイミングを探してたのなら、気にしないでください!」

「え!?」

「その気持ちがありたいのですから。」



驚いた顔で丸山さんが私を見る。



「キモイ・・・とかじゃないのか?つけてたことが・・・」

「は?丸山さん、調子が悪いんですか??」

「違う!そのキモイじゃない!俺が言いたいのは・・・」



ごにょごにょ言うお兄さんと、そんな彼を見てニヤニヤする先輩達。



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