彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「調子が悪いなら、会長さんのところへ行きませんか?やっぱり、福祉の話を受けた方が・・・」

「そうじゃない!チョコは・・・俺といるのは嫌じゃないか!?」

「嫌じゃないですが?」

「ホームレスだぞ!?」

「知ってます。ちなみに僕は、ヤンキーですが?」

「知ってるよ!」

「なのにさっき、助けてくれましたよね?」



本当は、余計なお世話だった。

むしろ、私の最愛の人である瑞希お兄ちゃんに水かけたことを怒るべきだけど・・・。



(丸山さんは、ミクお姉さんを私の味方と知らずに攻撃したわけだからな・・・)



〔★怒るに怒れない★〕



勘違いされたとはいえ、助けてもらったのは事実。



「ありがとうござます、丸山さん。」

(一応、お礼は言っておこう。)


「・・・い、いいよ!」



私からの感謝の言葉に、ソッポを向きながら言う丸山さん。



「危なそうに見えたから、放っておけなかっただけだ!」



赤い顔で、頭をガリガリかきながら言われた。



「さっきので借りは返した!貸し借りが嫌だっただけで、親切とかじゃない・・・!」

「丸山さん・・・」



(借りも何も・・・・別にピンチだったわけじゃないんだよね・・・)



「やっぱりそうでしたか・・・」

「な、なんだよ、その言い方!?」



予想通りの答えに、思ったことをありのままに伝えた。



「いえ、あなたが・・・・丸山さんが、良い方だということがわかったので。」

「ば、ばか!大人をからかうな!」

「からかってませんよ。同時に早とちりする人だとも思いました。」

「は?」

「さっきのお姉さん、僕の知り合いの女性探偵だったんです。」

「はああ!?」



悪気はなかったとはいえ、誤魔化すのは思いやりじゃない。





「敵に気づかれないために、お芝居してただけなんです。」

(だから真実も伝えておこう。)



「そーなのかー!!?」





〔★怒らなかったが、ダメージは与えた★〕



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