彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



バイクに揺られながら夜空を見上げる。



(うまくいってよかった・・・)



脳裏によみがえるのは、先ほどのやり取り。

丸山さん達との話し合いはスムーズに進んだ。

協力を得られたので、すぐさま仲間と引き合わせた。



「チョコ・・・・この子達は?」

「友達の・・・。」

「はじめまして、つなぐです。」

「うはははは!ヤマトでーす!」



丸山さん達がクラス段ボールの家に、2人の仲間が来てくれた。

来たのはいいんだけど・・・



「あの・・・僕は、つなぐとちーちゃんを呼んだんですけど・・・」



〔★リクエストと違った★〕



「うはははは!わし、いらんかったかー?」

「そうじゃないですが・・・ちーちゃんはどうしたのかと。」

「うはははは!監視されてて動けへんねん!」

「監視!?誰に!?」

「バラさんですよ。」



答えたのはつなぐ。



「長政が奴らと接触すると思って、監視してるんです。」

「うははは!3人でファミレスで勉強しとっても、新人の岩倉はんが、じーっと見てんねん!アホちゃうかのぉ~!」

「え!?君らに気づかれるような監視をしてるんですか!?」

「ふふふ・・・いやだなぁ、我が君。僕は忍びですよ。素人と一緒にしないでください。」

「そ、そうでしたね。」

「せやで、凛!わしは関西人やからなぁ~!うはははは!」

「そ、そうで・・・え?関西人関係ある?」



〔★納得できるポイントがない★〕



「ちゅーことで、ながちゃんはファミレスに置いてきたやねん!今日はわしをながちゃんやと思ってつこうてや~!うはははは!」

「無理があるでしょう。」

「わかってください、ぼっしぃ~!彼が心配でしょうが、今は作戦会議と行きましょう?」

「仕方ないですね・・・。じゃあ、話し合いを始めましょう。よろしいですか、丸山さん、みなさん?」

「いや、よろしくないだろう!?」



私の言葉に、なぜか真顔で異議を唱える丸山さん。



「どうしたんですか?」

「どうしたじゃない!警察に監視されてる仲間もだけど、忍者ってなんだ!?」

「ああ、この子、忍びの末裔なんです。内緒ですよ?」

「テヘ!忍びで-す!」

「全然忍んでないよな!?・・・大丈夫なのか?」



あからさまに、不安そうにする丸山さん達。

これはヤバいと思ったので必死でなだめた。



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