彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



あまりの服の多さにめまいがした。

思わず聞き返す。



「え!?あれを全部試着するんですか!?」

「そうよん♪」

「ぶっわははは!どんだけ~!?」

「どれだけ、凛道に時間をかける気だ?」

「この調子じゃ、マジで花火が終わるぞ。凛たんの好きにさせてやれよ。」

「絶対いや!!凛ちゃんだと地味なの選ぶもん!」

「あははは・・・」

(そりゃあ、目立つのは着ないわよ・・・)



立場上、私は男の子と名乗ってますが、本当は女の子。

成り行きで男装して偽名を使ってますが、生まれも育ち女。

本当の名前は菅原凛。

高校1年生の女の子なのです。

もちろんそのことは、この場の全員には内緒ですけど。



「どれでも同じだろうモニカ。」



呆れながら抗議してくれる獅子島さん。



「違うわよ、イオリン!どの色がいいかしら~」

「オイオイ!ここまで俺様を待たせて、まだそこかよ!?」



反論しながら服を物色するモニカちゃんに、だるそうな声で答える百鬼。



「今日の凛たんのラッキーカラーは緑だったが・・・。」

「さすがれーちゃん!じゅあ若葉色で決めちゃおう!あれと、これとそれで~」

「ちょ、モニカちゃん!?」



占い師・LEONさんの一言で着る物がしぼりこまれた。

私の知らない情報をキャッチすると、衣装を選ぶオシャレ隊長。

選んだものを私達に見せながら聞く。



「みんな、こんな感じでどうかしら!?」

「ほお、着流しか。」

「甚平もあるわよ!どっちがいい~?」

「着流し。」

「子供らしく甚平。」

「わははは!パンイチ!」

「最後!皇助、真面目に答えなさい!一番いい案ではあるけど!」

「よくないですよ!てか、着る僕に聞いてくださいよ!」

「うーん・・・生足チラがいいから、多数決で着流しね♪」

「よし!」

「チッ!」

「って、僕の意見は??」



〔★無視された★〕



こんな感じで私の意見をスルーしたコーディネートが続く。



「浴衣がこれなら、帯はこれよね♪凛ちゃん、はい、袖通して、動かないで♪」

「あの自分で着れ・・・」

「着せてあげるから♪」

「いえ、でも~」

「着・せ・て・あ・げ・る・か・ら!」

「・・・はい。」



断り切れず、同意する。



〔★モニカの圧力、凛はひいた★〕


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