彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
◆お姉様(!?)との再会!おとり捜査は大波乱!?◆



凛は大丈夫だろうか?



慣れないヒールで歩きながら考えるのは、可愛い弟のこと。

俺、真田瑞希は、女として会員制の出会い喫茶に潜入中だった。

身分証はもちろん、完璧に偽装したフェイク物。

鈴音ミクの姿で凛と恋人を演じた日、冷やかしてきた男達がくれた名刺。

渡された連絡先をもとに、ここまでたどりついた。

この店はマジックミラーの部屋の中にいる子を、客が自由に選べる仕組みになっていた。




「おい、今夜は来てるぞ!あのお姉ちゃん!」

「あの腰のくびれがたまらないなぁ・・・!」

「俺も、あんな美女に買ってほしい~」



あきらかに、俺を見ながらヒソヒソする常連客に嫌気がさす。



(やっぱり俺、目立つ服装じゃないか・・・?)



本日、モニカがコーディネートしてくれたのは服は、カッコいい女子がテーマらしい。

今回はデニムのミニズボンだが、前回よりも太ももが丸見えな上に、黒いレースのガーターをはかされた。

上は肩空きカットソーで、首元はのど仏を隠すために襟付きのミニネクタイを付けている。

胸は控えめにしてもらい、靴も低めのヒールにしてもらった。

録音機能をつけた腕時計をつけ、首の身にネクタイには隠しカメラを仕込んである。

伊織の調査と烈司の感で、悪人共を大掃除するなら今夜だと決まったのでいつでも準備OKだ。



〔★みんな(!?)の気合が入ってる★〕



「おい、今日は新しい男の子が入荷したみたいだぜ?」

「マジか!?久々だな。」

「男の娘をしてもらうのもいいなぁ~」



聞えてきた会話に吐き気がした。

ここにくる客は当然、未成年のしかいないとわかって来ている。

金でもみ消せる奴らが集まっている。

少女ばかりが目立っているが、少年だっている。

可愛い少年を捕まえることが出来た時だけ、店に出しているらしいと伊織は言っていた。

客共もそれを知ってる。

少年でも、少女でも、どっちでもいいってやつもいる。



(だから、凛をオトリにしたくなかったんだよな・・・)



大体オトリって・・・凛が買う側になれるわけないだろう?

そうなると、買われる側として潜り込むしかない。

そんなこと、凛にさせられるか!

あんな可愛く素直な子を、性的被害にあわせてたまるか!



(世界が敵に回っても、お兄ちゃんは許さんぞ!!)



〔★瑞希の兄バカモードが発動した★〕



< 344 / 534 >

この作品をシェア

pagetop