彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



静かになった分、車のドアが乱暴に開く音はよく響いた。



「今だ!」

「に、逃げろ!」


「あ。」



見れば、ちーちゃんがいる反対側・・・運転席側の後ろのドアから男2人が飛び出した。




「コラ!待ちなさー・・・・!!」


「俺にお任せを♪」

ビュン、ビュン!




そんな声が背後でした。

振り返る前に、私の後ろから何かが飛んでいった。



(なに!?)



それは私の両脇を通過し、MESSIAHの男2人の体に絡みついた。




ジャリ!ジャリ!

「ぎゃ!?」

「な、なに・・・・うわー!?」



ドサドサ!



「これは・・・!?」

「流星錘(りゅうせいすい)でーす!」

「つなぐ!?」




現れたのは、忍者の末裔である関山つなぐ。



〔★忍者も助けに来た★〕



「なぜここに!?」

「ふふふ!龍星軍の遊撃隊長補佐として、我が君であるぼっしーのお側にいるのは当然のことです!」



愛用の武器を手に、愛想よく笑う友達。



「ご覧ください。錘が重いので、その遠心力で敵の逃亡を阻止しました♪」



その言葉通り、敵は鎖でぐるぐる巻きになっていた。



「我が君、お怪我はございませんか?」

「大丈夫です。つなぐは?」

「平気です。お心遣い感謝いたします。」



さわやかに言いながら、両手に持っている縄を引っ張る。



「「うわー!?」」



それに引きずられてもどってきた敵。



「は、離せ!」

「離しやがれ!」

「当然だよ。」



相手の申し出に、あっさり答えると素早く縄を引く。

それで、男2人の体から縄がほどけるが・・・




「おらっ!」

メキ!メキ!

「「ぐぅ!?」」




自由になった瞬間、彼らのみぞおちに一撃ずつ食らわせた。

それで伸びてしまう敵。



「これでよし♪」

「さすがですね、つなぐ。」

「お褒めに預かり、恐悦至極(きょうえつしごく)♪さあ、ぼっしー!今のうちに、少女達の元へ!」

「あ、ありがとう。」



つなぐとのやり取りに苦笑しつつも、急いで車へと近づく。



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