彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「龍星軍なら、女の子逃がすのが優先的な!ということで、俺達のリンリンよろしくね、お姉さん♪」
「ちーちゃん!」
「さあ、お早く!ケツ持ちは任せて下さい。ぼっしーをお願いします、お姉様!」
「つなぐ!」
「わかったわ!」
「って、ミクお姉さん!?」
そう言いながら、火薬を周辺にまき散らしていく。
もくもくと上がる白い煙は、人の姿を隠していく。
「あなたは総長でしょ!迷ってる暇はないわ!優柔不断な子は嫌いよ、蓮君!?」
「わ、わかりましたよぉ~!」
2人を残していくのは気になるけど、瑞希お兄ちゃんい嫌われるのは嫌。
罪悪感と恋心の板挟みになりながら言った。
「ちーちゃん、つなぐ、本当にごめん!ありがとうございmす!!絶対に逃げきってくださいね!?」
「OK-!」
「御意に♪」
ババババババ!
彼らの返事に答えるようにアクセルが響く。
白い煙の中を、ミクお姉ちゃんのバイクが飛び出した。
「あ、一台逃げ・・・ゴホゴホ!」
「逃が・・・ゲホゲホ!すな!」
むせるおまわりさんを横目にその場から逃げる。
「ちーちゃん、つなぐ・・・」
首だけで振り返れば、白い煙ばかりで2人の安否はわからない。
「大丈夫よ。」
そんな私に運転席のお姉さんが言った。
「全国ナンバーワンの元半グレと最恐の忍びの子孫よ?捕まるわけないわ。」
「・・・そうでしたね。」
なぐさめてくれる相手に嬉しくなる。
同時にからかいたくもなった。
「なんで、ちーちゃんとつなぐが半グレと忍者って知ってるんですか?」
「っ!?た、探偵だからよぉ~おほほほほ!」
「そうでしたか・・・」
誤魔化す姿を可愛いともいつつ、しがみ付く振りをして相手に密着する。
事件は終わったが、愛の逃避行は始まったばかりだ。
〔★警察から逃げてるだけだ★〕
~お姉様(!?)との再会!おとり捜査は大波乱!?~完~