彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「そうなんだぁ~凛ちゃん、甘えん坊だと思ってたけどぉ~あたしにもチャンスあり!?」
「道理で、高千穂達と先に進まんわけだな。」
「つーか、必死に弁解しすぎだぞ、瑞希~?」
「わはははは!」
「うるせぇえ!!」
からかわれたり、文句を言われたりで頭にくる。
「なにもなかったならいいけどよぉ~凛たんに連絡しとかなくていいのか?」
「連絡?」
「そうよん!無事に帰れたかどうかの安否確認よ!」
「さっさと電話しろ、お姉さん。」
「わはははは!連絡する時は、ミクじゃなくて瑞希でな!?」
「マジでぶっ飛ばすぞ!?」
反論したが、その通りだと思った。
凛は迎えを呼ぶと言っていたが・・・誰を呼んだのか。
画面をタッチして、凛へコールする。
スピーカー設定にして、凛の携帯にかける。
〈瑞希お兄ちゃん!!〉
可愛い弟は、すぐに出た。
だから俺も、間をおかずに言った。
「俺に言うことあるよな?」
これに凛も素早く返事した。
〈すみません!悪質な半グレと戦いました!〉
「勝手なことしやがって・・・」
俺が知ってるとは知らず、謝る凛。
正直に謝る分だけマシか。
〔★知らないことは幸せだ★〕
「悪質って、なんていう半グレ団体だ?」
〈う・・・め、MESSIAH・・・です。〉
「MESSIAHだと?」
俺が目を吊り上げれば、周りにいる仲間達がニヤニヤする。
怒る気はなかったけど、どういう反応をするか知りたかった。
「コラ!!MESSIAHに関わるなって言ったよな!?なんで、MESSIAHと戦ってんだ!?」
怒ってる声を出せば、モニカが口を押えて笑う。
烈司も肩を震わせ、無表情の伊織も口元をゆるめる。
〈誤解です!僕は家出人探しをしたんです!〉
「ほぉ~家出人とな?」
〈家出人を探した結果、MESSIAHがおまけでついてきたんです!〉
「そうくるか。」
本当にこいつは、屁理屈を言うのが上手いと思う。