彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「凛、警察からバックれる時、女と一緒だったそうだな?」

〈え!?あ・・・はい。〉

「噂じゃ、凛の彼女だって聞いたんだが?」

〈えええええええええ!?何言ってんですかぁー!?〉



絶叫の後の沈黙。



〈・・・・ち、ちーちゃんですか?つなぐですか?そういうことを言っているのは・・・!?〉

「質問してるのは俺だぞ?どうなんだ?」

〈か、彼女ではありません!あの方は、家出人を探す探偵さんです!〉

「探偵?」

〈はい!鈴音ミクさんという女性探偵の方です!〉



見栄を張らずに正直に話す凛にホッとする。

これが馬鹿なガキだと、俺の彼女だとイキがりやがる。

そう言うことをしないから凛は可愛い。

さすが俺の弟だ!



素直な弟分に更なる質問をした。



「ほぉ~凛は、女探偵とも知り合いなのか?」

〈え!?えーと・・・成り行きで知り合い、助けられまして・・・〉

「それで一緒に逃げたのか?」

〈逃げましたが・・・?〉

「どこに隠れてたんだ?」

〈え!?どこって・・・〉

「俺に言えないのか?」



そう聞けば、しばしの沈黙の後で凛は言った。



〈すみません・・・ラブホテルです。〉



(正直すぎだろう~~~~!!)



〔★凛は自供した★〕



(おいおい、そこまで正直に言うかよ?)

「ラブホテルって・・・お前なにやってたんだ?」

〈ええ!?雨でぬれたので着替えただけです!〉

「男女がラブホで一晩過ごして、なぁーにしたんだよ?」

〈な、なに言ってんですか!?なにも・・・なにもなかったです。〉

「やらしいこと考えたんじゃねぇか、ミクさん相手に?」

〈か、考えてませんよ!〉

「抱き合ったりしたんじゃないのかぁー?隠してもわかってんだぞ?」



俺が本人だし。



〈か・・・隠すも何も・・・やましいことはしてません!〉



(抱き合ったことを、はぐらかしたなこいつ・・・)



まあ、俺も抱きしめたからドローか?



一緒に寝たことを思い出しながら、最後の質問をした。



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