彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「円城寺君には、特攻機を守って走ってもらう。」
「はあ!?俺に、旗持って走れって言うのか!?」
「いや、旗を持った悠斗君を後ろに乗せて走ってもらう。」
「俺が持つのかよ!?つーか、俺は親衛隊だぞ!?」
「守るのが、親衛隊の仕事だろう?あと、総長の言うことは絶対というのが、瑞希お兄ちゃんの代からの教えですよ?」
「ガタガタ言わずに、龍星軍の旗持って、大河のケツに乗りやがれ、悠斗!!」
「わ、わかったよ、カンナ~」
「けっ!瑞希先輩の旗、他の奴に任せたくないし・・・しゃーねーな。」
説明の甲斐あって、納得してもらえてホッとする。
協力する姿勢を見せてくれた仲間達に、心の底から安堵した。
これで安心して集会にのぞめそうだ。
「話はついたようだな?」
「お兄ちゃん。」
「瑞希先輩!?」
タイミングを見計らっていたかのように、ガレージにつながる通路から初代総長が現れる。
「見守ってるから、頑張れよ?」
「瑞希お兄ちゃん・・・・!」
「頑張ります、瑞希先輩!あなたのためにも、頑張ります!」
「おいおい、瑞希のために頑張るのかよ~?」
「龍星軍は、みーちゃんだけじゃないでしょ?」
「俺達を忘れるとは、いい度胸だ。」
「わはははは!制裁という名目でボコれる・・・!」
「あ・・・みなさん!?」
いたのは瑞希お兄ちゃんだけじゃなかった。
彼の背後から、他の4人の先輩も顔を出す。
「オメーらが事故らないように、お守り用意してやったぜ?」
そう言いながら、みんなにパワーストーンのブレスレットを渡す烈司さん。
「モニカちゃん特製のご飯を用意して、待ってるからね!?」
みんなの頭を撫でながら微笑むモニカちゃん。
「お前らのバイクの最終メンテナンスをしてやった。間違ってもパクられるなよ?」
そっけない態度を取りながらも、みんなへの優しさを見せる獅子島さん。
「わはははははは!根性入魂っ!!」
バシ!ビシ!バシ!ビシ!バシ!バシ!
コツン。コツン。
「「「「「「いてぇ!?」」」」」」
男子達の背中を叩き、激励する百鬼。
なぜか、つなぐと私だけは、頭を軽くこぶしで押されただけだった。