彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「百鬼先輩~」
「どうして、僕とつなぐだけ、衝撃が軽いんですか?」
「あん!?ぶっちゃけ関山は、性別未定だろう!?戸籍通り女になるかもしれない奴を殴れるか!」
「そうでしたね。」
「わーい、嬉しい~百鬼先輩、お優しいですね~!」
「そうですね、優しいで・・・え?僕は?」
嫌な汗が背中に流れる。
「百鬼さん・・・レディーファースト的な意味で手加減されたと言いましたが、僕は・・・?」
凛道蓮は、男の子設定。
女には手加減したということは、まさか・・・・!?
(女の子だとバレたっ!!?)
恐々聞けば、野獣は言った。
「わははははは!なんとなくだ!!」
「なんとなく!?」
「落ち着け、凛。からかわれただけだ。」
「あるいは、気に入ってるから手加減したかだな~」
「あたしも凛ちゃん殴れなーい!」
「俺は殴れる。」
「つーことで、気にするな、凛。」
「そ、そうですか・・・」
「わはははは!」
(びっくりした・・・バレたかと思った。)
〔★心臓に悪い優しさだ★〕
先輩達に喝を入れてもらい、ガレージから外に出る。
相棒であるバイクと共に。
「それじゃあ凛、みんなも、気をつけて行って来いよ!」
「バラさんには呪いかけといたから、今夜は出ないと思うぜ~」
「無事に帰ってくるのよ~」
「ケンカを売られたら、100倍返しを忘れるな。」
「わははははは!羨ましいぜ、ガキ共が~!」
「ありがとうございます、みなさん。」
「「「「「「「「あざっす!!」」」」」」」」
瑞希お兄ちゃん達にお礼を述べて、それぞれのバイクにまたがる。
エンジンをかける。
「―――――――――龍星軍、出撃だっ!!」
「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」
私の声を合図に、特攻隊から順に走り出す。
そんな私達を、お店の前で見送る5つの影。
好きな人に見送られながら、私は仲間達と夜の街に躍り出た。