彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
2度目の集会はあっさり終わった。
「お疲れさん、凛!」
「瑞希お兄ちゃん。」
出迎えてくれた好きな人に、あいまいに笑う。
これに相手は、私を見ながら聞いてきた。
「どうだった?」
「えーと・・・」
「最高っす!」
「気持ちよかったっす!」
私の代わりに、円城寺君と悠斗君が答える。
「からんでくる奴らもいなくて、盛り足りなかったすけどね!」
「やっぱ、走るのは最高っすよ!カンナ、今度はカンナが旗持ちしてくれよ!」
「はあ?テメーが持ってろよ。あたしは凛のお守りがある。」
「ははは!フラれたな、悠斗?」
「ど、どういう意味だよ、秀!?」
(テンション高いな・・・)
集会を終え、盛り上がる仲間を眺めながら思う。
「満足で来たならいいけどよ~凛はどうだった?」
横目で円城寺君達を見た後で、再び瑞希お兄ちゃんが問うてきた。
「面白かったか?」
「えーと、僕は・・・」
「うはははは!信号止め、面白かったわ!」
「お前静かに信号止めできないのかよ?」
私がしゃべる前に、ヤマトと秀君が答える。
「マジ笑い袋だぜ。こいつを補佐するのか・・・」
「うははは!楽しいなぁ、秀君!長ちゃんはどないやねん!?」
「俺、けっこうアピれた系~!リンリンにも見てほしかった的な!」
「ふふふ・・・わかるな。俺のモテ男ぶりを、ぼっしーにも教えたかった。」
「テメーら軟派な真似すんじゃねぇぞ!凛さんは硬派なんだからな!?」
(こっちもテンション高いな・・・)
普段から高いメンツばっかりだけど。
そう思っていたら、ポンと頭に手を置かれた。
「凛は?」
「あ。」
相手は、ずっと質問をしてくれていた人。
「瑞希お兄ちゃん。」
「みんなでの集会、よかったか?」
「・・・よかったです。」
頭を撫でてくれる彼に言えば、瑞希お兄ちゃんは苦笑いする。