彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「念のため聞きますが、ヤンキーでしたか?」
「いや、サラリーマン風の男だった。」
「サラリーマン風?」
「つまり、堅気すか?」
「どちらかといえば、カタギだろう。多分・・・週刊誌かなんかの記者じゃないか?根掘り葉掘り聞いてきたからよ!」
「新聞記者ですか?」
「多分、家出少女の事件の件で、取材したかったのかもしれねぇな~!」
〔★可能性はある★〕
取材か・・・ネタがないとはいえ、おおげさね。
(とはいえ、正体を隠してる身としては気になる情報だった。)
「あの・・・なんと答えたんですか?」
「もちろん、お兄ちゃん思いで兄弟仲の良い良い子だと答えておいたぞ。」
「「教えたんですか!?」」
「そうなのよ!この人馬鹿でしょ!?」
「あ、奥さん・・・」
そう言って割り込んできたのは会長さんの妻。
手にしたお好み焼きを私の前に置きながら言った。
「よく知らない奴にしゃべるもんじゃないのにさ!あたしは知らないって言ったのに!」
「うっせーな!未成年だから、実名は出ないだろう?少しでも、良いとこアピールした方がいいだろう!?本当のことなんだからよ!」
「チョコちゃんは目立つの嫌だって言ってんでしょ!?こんなに可愛いから、変な虫でも着いたら困るじゃない!」
「そうか・・・!男でも、ストーカーに気をつけないといけない時代だからな。」
「そうよ!男性ストーカー被害だってあるんだから!」
「そうなんですよね・・・あるんですよね・・・。」
「なんで全員、俺を見ながらうなずいてんだよ!?」
〔★実例だからだ★〕