彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「大体あんたはねー!チョコちゃんを軽く考えすぎなよ!?」

「お前の方が、チョコちゃんのことをちゃんと考えてないぞ!?」

「やめてくださいよ、二人とも!弟のことでもめないでください!」



私が原因で始まった夫婦喧嘩。

私も止めないといけないと思ったのだけど、



「盛り上がってるみたいですな?」

「え?」



その人の登場で夫婦喧嘩は終了する。




「久しぶりだな、坊や?」

「おじさん?」




現れたのは、バラさんだった。

隣には、岩倉という若い刑事も連れていた。



「おじさん、退院できたんですね!?食中毒、大丈夫でしたか!?もう普通のご飯は、食べられるんですか!?」

「なんでお前が知ってんだよ!?バラさん、連行しましょう!」

「できるか!つーか、オメーのせいで入院したんだろうが!?」



岩倉君以上の声で怒鳴ると、その頭に拳を落とすおじさん。



(部下原因で入院したって話、本当だったんだ・・・・)



〔★事実確認はとれた★〕



「おじさん、大丈夫ですか?」

「おかげさんで、当分カレーは見たくねぇーよ!」

「いえ、職場の人間関係が・・・」

「大きなお世話だよ!それよりも坊主、俺の入院中に集会したんだってな?」

「はあ・・・」

「俺が入院して、嬉しかったんじゃぇか?」

「な!?そんなこと思いませんよ!突然だったんで、心配したんですよ?」

「心配してくれたのか?」

「はい!」

「じゃあ坊や、退院祝いに話を聞かせてくれよ。」

「話、ですか・・・?」




そう言うなり、私の側まで来るおじさん。

その時すでに、にぎやかだったテントの中は静かになっていた。

全員の視線がおじさんに集まる中、国家公務員は私を見ながら言った。



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