彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「お前、MESSIAHの売春と違法薬物事件に関わったよな?」
「・・・・なんのことですか?」
(やっぱり、そのことね・・・・。)
理解したと同時に否定する。
知らないと答える。
「とぼけるな!お前が関係してるんだろう!?」
間髪入れずに言ったのは岩倉。
若い刑事は、私の肩をつかむと怒鳴りつけた。
「MESSIAHを縛り上げ、証拠品を送りつけたのはお前だろう、凛道蓮!?」
「あっ!?」
勢い良く私の肩をつかみながら言う。
下手なのかわざとなのか知らないけど、それで掴まれた場所に痛みが走った。
「い、痛いです!やめてください!」
「そう言って逃げる気か!?言い逃れは通じないぞ!?」
「違います!本当に、い、痛いんです・・・!」
「おい、やめろっ!」
それを見て、会長さんが私の肩をつかんでいる岩倉の手をつかむ。
「子供相手に何してんだ、刑事さんよ!手を離してやれ!」
「こっちのセリフです!公務執行妨害ですよ!?」
「そう言えば、子供に暴力振るっていいって言うのか!?」
「この子は非行少年です!見た目は弱そうですが、凶暴なんですよ!?」
「だから乱暴にしていいのか!?今は、なにもしてないだろう!?」
「邪魔するなら、逮捕しますよ!?」
「なんだとぉ!?やってみろテメー!!」
「岩倉、離してやれ。」
岩倉と会長さんがヒートアップした時、そっけない声でおじさんが指示する。
「でもバラさん!」
「いいから離せ!あと、簡単に逮捕って言うんじゃない!」
「・・・はい・・・」
おじさんの言葉で、渋々手を離す岩倉。
「凛!」
「お兄ちゃん!」
解放された瞬間、瑞希お兄ちゃんは私を自分の背後へと隠す。
同時に、会長の奥さんをはじめとした女性達が私の側へと寄ってくる。
「大丈夫かい、チョコちゃん?」
「痛かったね?怖かっただろう?」
「なんて乱暴なのかしら!?」
「怪我はしてない!?」
「だ、大丈夫です・・・」
瑞希お兄ちゃんの背中にくっつきながら言えば、会長の奥さんが背後から抱きしめてきた。
他の人も、私の頭をなでながら気遣ってくる。
おじさん達から、隠すように体を寄せてきた。
〔★バリケードが出来た★〕