彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
あっという間に、執行部本部にいる十数人VS警官2人の構図が出来る。
私はそれにどう答えていいかわからず、瑞希お兄ちゃんのシャツをつかんだ状態で、されるがままになっていた。
その様子に、おじさんがため息交じりに言った。
「良い大人が、見た目に騙されてるのか?悪ガキとも知らないで・・・」
「この子は良い子だ!」
おじさんの言葉を、会長さんが否定する。
「礼儀正しい上に、人一倍よく働く!親切で、気遣いも出来て、可愛くて、素直だ!見た目通りの良い子なんだ!」
「会長さん・・・」
(そこまで私のことを・・・・!?)
「そればかりか、この子がパトロールを手伝ってくれたおかげで、たくさんの問題も解決した!」
「そうだ!会長の言う通りだ!」
会長さんの発言を受け、私の周りに集まっている大人達もしゃべりだす。
「うちの人の言う通りよ!この子のおかげで、不法駐車はなくなりましたからね!」
「あなた方警察に言ってもなくならなかった不法投棄もなくなったわ!」
「店に入り浸る悪質なお客も来なくなったしね!」
「私に付きまとっていたストーカー犯も、逮捕されました。」
「毎日騒音を出す迷惑家族を一掃してくれたわ!」
「息子が借金の保証人にされて、闇金につかまった時も助けてくれたのよ!」
「警察が民事介入と可で、なんにもしてくれなかったのを、この子が解決してくれた!私達を、町内を、救ってくれたんです!」
「その流れで、売春と違法ドラッグの件も解決したってことか?」
おじさんの問いに誰も答えない。
代わりに、ジッとおじさん達をにらんでいた。
(な、なにこれ・・・?)
異様な空気が流れる。
〔★警察側がアウェーだった★〕