彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「フジバラさん、これはなんの捜査ですか・・・!?」
会長さんが低い声で聞く。
「MESSIAHって半グレの件での協力は終わったはずでしょう?」
「ああ、終わってますよ、大原さん。うちの若いのが先走りましたが、俺はあんたらがかばってる子供と話をしたいだけだ。」
「この子は知らないって言ってます。帰ってくれますか?」
「手荒な真似はしない。話をしたいだけなんですよ。いいよな、凛道蓮君?」
おじさんが私を見ながら言う。
相手は警察。
(抵抗しない方が、長引かないよね・・・?)
それに、素直な態度を見せておいた方が都合もいいかな・・・
「・・・わかりました。」
「凛!」
「チョコちゃん!」
「大丈夫ですから。」
説得の言葉を告げ、瑞希お兄ちゃんから、奥さん達の比護から離れる。
おじさんの目の前まで行くと、出来るだけ穏やかな口調で聞いた。
「僕と・・・なにを話そうというのですか?」
やっぱり、家出っ子の売春と薬物のことだろうか?
おじさんは、しばらく私を見つめてから言った。
「お前、何者だ?」
一瞬、何を問われたかわからなかった。
(何者って・・・??)
「凛道蓮ですが?」
「どういう身分かって聞いてんだよ!?」
そう言ったのは、私の肩をつかんだ奴。
いらだち気味に岩倉は言う。
「君のことを調べようとしたら、上から圧力がかかった!」
「圧力?」
「岩倉!」
その言葉に、おじさんだけじゃなく、瑞希お兄ちゃんの表情も変わる。
同時に、お兄ちゃんも口を開く。
「圧力って、どういうことだよ?」
「はあ!?お前の仲間の仕業じゃないのか!?」
「そんなことできるか!」
「信用できるない!」
今度は、瑞希お兄ちゃんと岩倉が言い争うが私はそれどころじゃなかった。
(圧力って・・・・私のことを調べようとして圧力がかかったって言うの?)
ありがたいけど、誰がかけてるの?
該当者5人が頭に浮かぶが・・・。
「お前らだろう!?初代龍星軍!?」
「俺らじゃない!」
「お前らしかいない!」
「違うって言ってるだろう!?」
5分の1の人が否定してる。
警察の前だからかもしれないけど・・・心の中で、正直に言おう。
(・・・黒子ファイブ全員に、その可能性があるわ・・・・)
〔★それだけの心当たりがある★〕